完全攻略 中学地理 45ページ

まず、質問です。
「EUって、もともと何か国から始まったと思いますか?」
実は、たった6か国からスタートしています。
ここが今日のいちばん大事なスタート地点です。

1967年、ヨーロッパの国どうしが協力して経済を発展させるために、ECが発足しました。
このときの原加盟国は6か国です。
ベルギー、オランダ、ルクセンブルクフランス、旧西ドイツ、イタリアです。

ここで覚え方です。
「ベネルクス+フランス・ドイツ・イタリア」です。
ベネルクス三国は、ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの3つをまとめた言い方です。
これにフランス・ドイツ・イタリアを足して6か国です。

では次にいきます。
「最初の6か国のあと、どの国が入ったのか?」を見ていきましょう。

1973年です。
イギリス・アイルランド・デンマークが加盟しました。
ここは「イギリスがついに入った年」として覚えましょう。

次は1981年です。
ギリシャが加盟しました。
1か国だけなので覚えやすいですね。

さらに1986年です。
スペインとポルトガルが加盟しました。
ここはとてもよくテストに出ます。
「スペイン・ポルトガル=1986年」とセットで覚えましょう。

ここで確認します。
スペイン・ポルトガルは最初のメンバーですか?
違います。
あとから入った国です。
だから問題でもひっかけになりやすいポイントです。

次は1995年です。
オーストリア・フィンランド・スウェーデンが加盟しました。
北ヨーロッパの国々が入ったと考えると覚えやすいです。

ここで流れを整理します。
西ヨーロッパから始まり、南ヨーロッパ、そして北ヨーロッパへと広がっていきました。

次は大きなポイントです。
2004年です。
ポーランドやハンガリーなど、東ヨーロッパの国々が一気に10か国も加盟しました。
これはEUが大きく広がった出来事です。

さらに2007年です。
ブルガリアとルーマニアが加盟しました。

そして2013年です。
クロアチアが加盟しました。

ここまでで、EUはどんどん広がってきたことが分かります。

しかし大事な変化もあります。
2020年、イギリスがEUを離脱しました。
これを「ブレグジット」といいます。

ここで確認です。
イギリスはいつ加盟しましたか?
1973年です。
そして、2020年に離脱しました。
この2つはセットで覚えましょう。

では、テスト対策として流れを一気に確認します。

1967年 6か国でスタート(ベネルクス+仏独伊)
1973年 イギリスなどが加盟
1981年 ギリシャ
1986年 スペイン・ポルトガル
1995年 北ヨーロッパの国々
2004年 東ヨーロッパが一気に加盟
2007年 ブルガリア・ルーマニア
2013年 クロアチア
2020年 イギリス離脱

最後に覚え方です。
「西→南→北→東」と広がるイメージを持ちましょう。
地図を思い浮かべると、流れがつながります。

では最後の確認です。
スペイン・ポルトガルはいつ加盟ですか?
1986年です。

最初の6か国に入っていますか?
入っていません。

このように、年代と流れをセットで覚えると、問題で迷わなくなります。
ここまでしっかり理解できていれば、EUの問題ははっちりです。
答え
(2) ユーロ
(3) エ
(4) Y
(5) B
(6) (例)加盟国間に大きな経済格差があり,低所得などの問題をかかえている国がある。
(7) スペイン
(8) フランス,イタリア
右の地図と資料Ⅰ・Ⅱを見て、次の各問いに答えなさい。

(1)地図中のア~オは、次の①~⑤のいずれかのEUの加盟国を示している。①・②にあてはまるものを、ア~オからそれぞれ選びなさい。

① EC発足当時(1967年)からの加盟国
② ①をのぞく、EU創設当時からの加盟国
③ 1995年新加盟国
④ 2004年新加盟国
⑤ 2007年以降の新加盟国
答え
① イ ② ウ
【解説】:1967年のEC発足当時の原加盟国は、ベネルクス三国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)と、ドイツ(旧西ドイツ)・フランス・イタリアの6か国です。イギリス・アイルランド・デンマークは1973年、ギリシャは1981年、スペイン・ポルトガルは1986年、オーストリア・フィンランド・スウェーデンは1995年、ポーランド・ハンガリーなどの10か国が2004年、ブルガリアとルーマニアが2007年、クロアチアが2013年に加盟しました。イギリスは2020年にEUを離脱しました。

(2)EUの加盟国のうち、2021年現在、19か国で使用されている共通通貨を何といいますか。
答え
ユーロ
【解説】:EUの加盟国のうち、多くの国で使われている共通通貨はユーロです。

(3)国際分業を行う航空機メーカーの最終組み立て工場がある都市を、次のア~エから1つ選びなさい。
ア ロンドン
イ ロッテルダム
ウ ミュンヘン
エ トゥールーズ
答え

【解説】:フランスのトゥールーズには、EU各国が共同で設立したエアバス社の最終組み立て工場があります。

(4)地図中のX~Zのうち、小麦などの生産がさかんな、EU最大の農業国を1つ選びなさい。

答え
Y
【解説】:Yのフランスは世界有数の小麦輸出国です。冷涼な気候のXのオランダでは酪農が、地中海沿岸のZのイタリアでは、乾燥に強いオリーブやぶどうの生産がさかんです。

(5)資料Ⅰは、EUと日本、中国、アメリカの人口と貿易額、GDP(国内総生産)を比べたものである。日本にあてはまるものを、A~Cから1つ選びなさい。

答え
B
【解説】:資料Ⅰでは、日本はBにあたります。EUとしてまとまることにより、アメリカや日本に匹敵する経済圏を形成しています。

(6)資料Ⅰ中のGDPに着目して、EU加盟国間でかかえていると考えられる経済的な問題について、簡単に説明しなさい。

答え
加盟国間に大きな経済格差があり、低所得などの問題をかかえている国がある。
【解説】:GDPにしめる西ヨーロッパ諸国の割合が高いということは、残る他の加盟国、特に新規に加盟した東ヨーロッパ諸国のGDPが低いことを意味します。こういった加盟国間の経済格差の解消がEUの課題となっています。

(7)資料Ⅱを見て、イギリスやフランス、ドイツの各国から多くの観光客が訪れている国の名を答えなさい。

答え
スペイン
【解説】:ヨーロッパで海外からの観光客到着数が最も多いのはフランスで、次いでスペイン、イタリアと続きます。資料Ⅱでは、イギリスやフランス、ドイツから多くの観光客が訪れている国としてスペインが読み取れます。

(8)資料Ⅱを見て、ヨーロッパの他の国から訪れる観光客数が多いだけでなく、ヨーロッパの他の国へ出かける観光客数も多いと考えられる国はどこか、あてはまる国名を2つ答えなさい。

答え
フランス、イタリア
【解説】:資料Ⅱからは、フランスとイタリアが他のヨーロッパの国から多くの観光客を受け入れているだけでなく、自国から他のヨーロッパの国へ出かける観光客も多い国だと考えられます。
授業
まず、45ページを開いてください。
では、「よく出る地図」の問題を一緒に解いていきましょう。
今回は、よく出る(2)の問題から始めます。
地図、資料Ⅰ、資料Ⅱを見ながら、なぜその答えになるのかをしっかり考えていきます。

(2)の問題文を読みます。
「(2)EUの加盟国のうち、2021年現在、19か国で使用されている共通通貨を何といいますか。」という問題です。
これは知識を使って答える問題です。
答えは、ユーロです。
ユーロは、EUの国々の結びつきを強くするための大切なしくみです。
同じ通貨を使えば、国をこえて買い物をしたり、会社どうしが貿易をしたりするときに便利です。
たとえば、国ごとにお金の種類がちがうと、そのたびに両替が必要になります。
でも、共通通貨ならその手間が減ります。
そのため、EUの経済活動が進めやすくなります。
ただし、EUのすべての国がユーロを使っているわけではありません。
そこもあわせて覚えておくとよいです。
次は、国際分業について学ぶ問題です。
(3)の問題文を読みます。
「(3)国際分業を行う航空機メーカーの最終組み立て工場がある都市を、次のア~エから1つ選びなさい。」という問題です。
「ア ロンドン」 「イ ロッテルダム」 「ウ ミュンヘン」 「エ トゥールーズ」 という選択肢です。
答えは、エです。
都市名でいうと、トゥールーズです。
フランスのトゥールーズには、EU各国が共同で設立したエアバス社の最終組み立て工場があります。
ここで大切な言葉が、国際分業です。
国際分業とは、一つのものを作るときに、いろいろな国が役割を分担して作ることです。
たとえば、ある国で部品を作り、別の国で組み立てるという形です。
航空機のように大きくて複雑な工業製品は、一国だけで全部を作るより、得意なことを分担したほうが効率よく作れます。
EUは国どうしの結びつきが強いので、このような国際分業が進みやすいのです。
次は、農業と地図の読み取りについて学ぶ問題です。
(4)の問題文を読みます。
「(4)地図中のX~Zのうち、小麦などの生産がさかんな、EU最大の農業国を1つ選びなさい。」という問題です。
これは地図を使う資料問題です。
X、Y、Zがどこの国を指しているかを地図で確かめることが大切です。
答えは、Yです。
Yはフランスの位置にあります。
フランスは世界有数の小麦輸出国で、EUの中でも特に農業がさかんな国です。
一方で、Xはオランダのあたりです。
ここでは冷涼な気候を生かした酪農がさかんです。
Zはイタリアです。
イタリアは地中海沿岸にあり、乾燥に強いオリーブやぶどうの生産がさかんです。
この問題では、小麦という言葉とフランスを結びつけることがポイントです。
ヨーロッパは地域によって気候がちがうので、さかんな農業も変わることが地図からわかります。
次は、資料Ⅰをしっかり読み取る問題です。
(5)の問題文を読みます。
「(5)資料Ⅰは、EUと日本、中国、アメリカの人口と貿易額、GDP(国内総生産)を比べたものである。
日本にあてはまるものを、A~Cから1つ選びなさい。」という問題です。
これはグラフを使う資料問題です。
まず資料Ⅰが何を表しているかを整理しましょう。
資料Ⅰは、EUとA、B、Cについて、人口、貿易額、GDPの三つを比べた棒グラフです。
人口は、その国に住む人の多さです。
貿易額は、輸出や輸入をあわせた取引の大きさです。
GDPは、その国の経済の大きさを表すものです。
答えは、Bです。
では、A、B、Cがどこの国なのかを順番に考えていきましょう。
まず人口のグラフを見ると、Cがとても大きく、10億人をこえています。
人口がこれほど多いのは中国です。
だから、Cは中国です。
次にGDPのグラフを見ると、Aがいちばん大きくなっています。
世界の中でGDPが非常に大きい国はアメリカです。
だから、Aはアメリカです。
そうすると、残るBが日本になります。
この問題でいちばん大事なのは、一つのグラフだけで決めないことです。
人口だけでなく、貿易額とGDPも合わせて見ることで、正しくBが日本だと判断できます。
そして資料Ⅰを見ると、EU全体の人口、貿易額、GDPもとても大きいことがわかります。
これは、EUが多くの国のまとまりとして、大きな経済圏をつくっていることを表しています。
次は、EUの課題について考える問題です。
(6)の問題文を読みます。
「(6)資料Ⅰ中のGDPに着目して、EU加盟国間でかかえていると考えられる経済的な問題について、簡単に説明しなさい。」という問題です。
これは記述問題です。
答えは、加盟国間に大きな経済格差があり、低所得などの問題をかかえている国がある。
です。
資料ⅠのGDPを見ると、EU全体はとても大きな経済力を持っています。
その一方で、グラフの中にはドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペインなどが特に大きく示されています。
これは、EUの中でも経済力の大きい国が西ヨーロッパに多いことを表しています。
逆にいうと、それ以外の国々、特にあとから加盟した東ヨーロッパの国々には、GDPが低い国もあるということです。
同じEUの仲間でも、生活水準や産業の発達のしかたに差がある。
これが経済格差です。
EUは結びつきが強いからこそ、この差を小さくしていくことが大きな課題になっています。
次は、資料Ⅱの観光客の動きを読む問題です。
(7)の問題文を読みます。
「(7)資料Ⅱを見て、イギリスやフランス、ドイツの各国から多くの観光客が訪れている国の名を答えなさい。」という問題です。
これは地図と矢印を使う資料問題です。
まず資料Ⅱを見てみましょう。
黒や紫の線は、おもな鉄道を表しています。
赤い矢印は、観光客の移動を表しています。
太い矢印は600万人以上、細い矢印は400万から600万人の移動です。
答えは、スペインです。
イギリス、フランス、ドイツのあたりから、太い赤い矢印がスペインに向かっています。
だから、多くの観光客が訪れている国はスペインだとわかります。
スペインはあたたかい気候で、海岸のリゾート地も多く、ヨーロッパの中でも人気の高い観光地です。
この問題では、矢印の向きをまちがえないことが大切です。
どこからどこへ向かっているのかを、先端を見て確かめるようにしましょう。
次は、観光客の行き来をさらに深く考える問題です。
(8)の問題文を読みます。
「(8)資料Ⅱを見て、ヨーロッパの他の国から訪れる観光客数が多いだけでなく、ヨーロッパの他の国へ出かける観光客数も多いと考えられる国はどこか、あてはまる国名を2つ答えなさい。」という問題です。
これも資料問題です。
入ってくる矢印だけでなく、出ていく矢印も見ることがポイントです。
答えは、フランス、イタリアです。
フランスには多くの観光客が集まっています。
それだけでなく、フランスからほかの国へ向かう観光客の動きも見られます。
イタリアも同じように、観光客が集まる国であると同時に、ほかの国へ出かける人も多いと読み取れます。
この問題では、一方向ではなく、双方向で見ることが大切です。
観光客が来る国なのか。
観光客が出かける国なのか。
それとも、その両方なのか。
そう考えながら矢印を整理すると、フランスとイタリアが当てはまることがわかります。
重要ポイントをまとめます。
EUの結びつきを強めるものの一つが、共通通貨のユーロです。
フランスのトゥールーズには、国際分業で航空機を作るエアバス社の最終組み立て工場があります。
Yのフランスは、小麦の生産がさかんなEU最大の農業国です。
資料Ⅰでは、Aがアメリカ、Bが日本、Cが中国です。
Bが日本だとわかるのは、人口は中国ほど多くなく、GDPはアメリカほど大きくなく、三つのグラフを合わせて見ると日本の特徴に合うからです。
EUは大きな経済圏ですが、加盟国間には経済格差という課題があります。
資料Ⅱでは、スペインが多くの観光客を集める国で、フランスとイタリアは観光客が来るだけでなく、ほかの国へ出かける人も多い国だと読み取れます。