理科教科書 208ページ 1 地震のゆれの伝わり方

教科書
1 地震のゆれの伝わり方
地震は地下の岩盤が急激にずれることで発生する。
急激な岩盤のずれが最初に起きた地下の場所を震源といい、震源の真上の地上の地点を震央という。
地震によって発生した地表に伝わり、そのゆれの大きさを、日本では震度で表す。
地震が起こると、各地の観測点にある地震計でゆれの大きさが観測される。
このデータが気象庁に送られ、テレビやラジオで発表される地震に関する報道に活用されている。
実習から
地震のゆれ始めの時刻が同じ地点を結ぶと、震央を中心とした同心円状になる。★1
これは震源で発生したゆれが、ほぼ一定の速さで大地を伝わるからである。
また、ゆれの大きさは、震源からはなれるほど小さくなるため、震度の分布もほぼ同心円状になる。★2
地震のゆれの記録
地震が起こると、初めに小さなゆれ ( 初期微動 ) を感じ、その後に大きなゆれ ( 主要動 ) を感じることが多い。
これらのゆれは、地震計で記録すると図、2のようになる。
初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間を初期微動継続時間という。
地震
地震のゆれは、ほぼ一定の速さで伝わる。
初期微動を伝えるP波主要動を伝えるS波という。★4
P波は、S波よりも伝わる速さが速い。
地震が起こると、震源P波S波が同時に発生するが、P波の方がS波よりも速く伝わるため、図3に示すように、震源からの距離が大きいほどP波S波の到着時刻の差が大きくなり、初期微動継続時間は長くなる。
この初期微動継続時間震源からの距離との関係は、どの地震でも同じようになる。
地震の規模
地震の規模は、マグニチュード(記号:M)で表される。
マグニチュードの値が大きいほど、地震によって放出されるエネルギー ★5が大きくなるので、ゆれが伝わる範囲が広くなり主要動が長く続くことが多い。
★1
 同心円状とは、中心を同じくする円がいくつも重なり合って、外側に向かって広がっていく様子。
水面で波は同心円状に伝わる。
★2
 地盤の性質のちがいにより、震央からの距離が同じでも、ゆれの大きさが異なることもある。
★3
地震計は、地震で地面がゆれても、おもりとペンは地面といっしょには動かないので、ゆれを記録することができる。
★4<br P波は、Primarywave ( 最初にくる波 ) 、
S波Secondarywave ( 2番目にくる波 ) を省略した用語。
★5<br マグニチュードは、値が1大きいと、放出されるエネルギーは約30倍、値が2大きいと1000倍になる。
よって、マグニチュード8地震は、マグニチュード7地震の約30回分エネルギーをいちどに放出することになる。
授業
地震ってなに?

今日は「地震」について学び始めます。
まず、地震とは、地下で岩盤が急にずれて、地面がゆれ動く現象のことです。
このときに出るエネルギーが、地震波(じしんは)として伝わります。
地震が起こる場所の多くは、「プレート」という地面の板がぶつかる場所です。
日本はこのプレートの境目にあるため、地震がとても多い国なんです。

地震波とは?

地震が起きたとき、地面のゆれは「波」として広がっていきます。
この波のことを「地震波(じしんは)」と呼びます。
地震波には主に2種類、「P波」と「S波」があります。
P波は「Primary wave(最初の波)」の略で、一番最初に届くゆれです。
S波は「Secondary wave(2番目の波)」の略で、P波のあとに届きます。

P波とは?

P波は地震のときに最初に伝わってくる波です。
ゆれは小さく、「カタカタッ」とした感じで、すぐに終わります。
地中をとても速く進み、音のように「押す」ような波です。
家の中で感じると、最初の小さな揺れがこれにあたります。
地震が来たときに「ん?今のなに?」と感じるのがP波です。

S波とは?

S波はP波のあとにやってくる、より強いゆれの波です。
「グラグラッ」と左右に大きくゆれるのが特徴です。
P波より進む速さが遅いので、少しあとから届きます。
このS波が、家具が倒れたりするような本格的なゆれを引き起こします。
S波が来るまでに行動すれば、けがの防止につながります。

P波とS波の違い

P波とS波は、どちらも地震波ですが、ちがいがいくつかあります。
1つ目は「速さ」。P波の方が速く、S波はあとに届きます。
2つ目は「ゆれ方」。P波は縦に、S波は横にゆれます。
3つ目は「強さ」。P波は小さなゆれ、S波は大きなゆれです。
この違いを知っておくと、地震のときの判断に役立ちます。

初期微動(しょきびどう)とは?

地震が起きると、最初に小さなゆれがやってきます。
これが「初期微動(しょきびどう)」と呼ばれるP波によるゆれです。
「微動」というように、小さくてわずかなゆれです。
この時間を使って、机の下にもぐったり、身を守ることができます。
「ゆれがきた」と思ったら、すぐに行動できるようにしましょう。

主要動(しゅようどう)とは?

P波のあとに続いてやってくるのが「主要動(しゅようどう)」です。
これはS波による、大きなゆれです。
家具が倒れたり、建物にダメージを与えるのがこのゆれです。
主要動がくる前に行動できるかどうかで、身の安全が大きく変わります。
「初期微動」と「主要動」の時間差を覚えておきましょう。

初期微動継続時間ってなに?

P波が始まってから、S波が届くまでの時間を「初期微動継続時間」といいます。
この時間が長いほど、震源地(しんげんち)から遠い場所になります。
逆に、継続時間が短いほど、震源地に近いということになります。
地震のゆれが始まったら、秒数を数えてみましょう。
継続時間から、自分の場所が震源から近いか遠いかが分かります。

初期微動継続時間と震源までの距離

たとえば、初期微動継続時間が10秒だったとします。
このとき、地震波の速さから考えて、およそ80kmくらい震源地から離れています。
初期微動が2秒だったら、震源はかなり近いということです。
このように、地震計のデータから震源までの距離を計算できます。
学校でも、これを使って震源を求める実験をしますよ。

地震の震源と震央

「震源(しんげん)」は、地下で地震が起こった場所です。
「震央(しんおう)」は、震源の真上の地表の点です。
震源が浅いと、地表の被害が大きくなりやすいです。
逆に震源が深い地震は、ゆれが広い範囲に広がります。
一問一答形式(理解・暗記)15問
Q1. 地震(じしん)は地下の何が急激にずれることで発生するか。
答え
岩盤(がんばん)

Q2. 急激な岩盤(がんばん)のずれが最初に起きた地下の場所を何というか。
答え
震源(しんげん)

Q3. 震源(しんげん)の真上の地上の地点を何というか。
答え
震央(しんおう)

Q4. 地震(じしん)で発生した波が地表に伝わり、そのゆれの大きさを日本では何で表すか。
答え
震度(しんど)

Q5. 地震(じしん)が起こると、各地の観測点でゆれの大きさを観測する機器は何か。
答え
地震計(じしんけい)

Q6. 観測されたデータはどこに送られるか。
答え
気象庁(きしょうちょう)

Q7. 地震(じしん)のゆれ始めの時刻が同じ地点を結ぶと、震央(しんおう)を中心とした何になるか。
答え
同心円状(どうしんえんじょう)

Q8. 震度(しんど)の分布もほぼ同心円状(どうしんえんじょう)になりやすいのは、ゆれの大きさが震源(しんげん)からどうなるためか。
答え
はなれるほど小さくなるため

Q9. 地震(じしん)で最初に感じる小さなゆれを何というか。
答え
初期微動(しょきびどう)

Q10. 初期微動(しょきびどう)の後に感じる大きなゆれを何というか。
答え
主要動(しゅようどう)

Q11. 初期微動(しょきびどう)が始まってから主要動(しゅようどう)が始まるまでの時間を何というか。
答え
初期微動継続時間(しょきびどうけいぞくじかん)

Q12. 初期微動(しょきびどう)を伝える波を何というか。
答え
P波(ぴーは)

Q13. 主要動(しゅようどう)を伝える波を何というか。
答え
S波(えすは)

Q14. P波(ぴーは)とS波(えすは)では、どちらの方が伝わる速さが速いか。
答え
P波(ぴーは)

Q15. 地震(じしん)の規模は何で表されるか。
答え
マグニチュード(記号:M)

テストに出やすい問題(形式いろいろ)15問
Q16. (選択)震源(しんげん)とはどれか。
ア:震源の真上の地上の地点 イ:岩盤のずれが最初に起きた地下の場所 ウ:ゆれの大きさを表す値
答え
イ:岩盤のずれが最初に起きた地下の場所

Q17. (選択)震央(しんおう)とはどれか。
ア:震源の真上の地上の地点 イ:地震の波 ウ:地震計のある場所
答え
ア:震源の真上の地上の地点

Q18. (選択)日本で、ゆれの大きさを表すのはどれか。
ア:マグニチュード(M) イ:震度(しんど) ウ:同心円状(どうしんえんじょう)
答え
イ:震度(しんど)

Q19. (穴埋め)地震(じしん)は地下の( ① )が急激にずれることで発生する。
答え
① 岩盤(がんばん)

Q20. (穴埋め)初期微動(しょきびどう)が始まってから主要動(しゅようどう)が始まるまでの時間を( ① )という。
答え
① 初期微動継続時間(しょきびどうけいぞくじかん)

Q21. (並べかえ)地震(じしん)のゆれを感じる順番を並べかえよ。
ア:主要動(しゅようどう) イ:初期微動(しょきびどう)
答え
イ → ア

Q22. (正誤)P波(ぴーは)はS波(えすは)よりも伝わる速さが遅い。
答え
誤り

Q23. (正誤)震源(しんげん)からの距離が大きいほど、P波とS波の到着時刻の差は大きくなる。
答え
正しい

Q24. (記述 1〜2行)地震(じしん)のゆれ始めの時刻が同じ地点を結ぶと同心円状(どうしんえんじょう)になるのはなぜか。
答え
震源(しんげん)で発生したゆれが、ほぼ一定の速さで大地(だいち)を伝わるから。

Q25. (記述 1〜2行)震度(しんど)の分布もほぼ同心円状(どうしんえんじょう)になりやすい理由を短く書け。
答え
ゆれの大きさが、震源(しんげん)からはなれるほど小さくなるから。

Q26. 震源(しんげん)からの距離が大きいほど長くなるものは何か。
答え
初期微動継続時間(しょきびどうけいぞくじかん)

Q27. 震源(しんげん)からの距離が大きいほど大きくなるものは何か。
答え
P波(ぴーは)とS波(えすは)の到着時刻の差

Q28. (選択)地震(じしん)の規模を表すのはどれか。
ア:震度(しんど) イ:マグニチュード(記号:M) ウ:震央(しんおう)
答え
イ:マグニチュード(記号:M)

Q29. (計算・単位)マグニチュードの値が1大きいと、放出されるエネルギーは約何倍か。
答え
約30倍

Q30. (計算・単位)マグニチュード8の地震(じしん)は、マグニチュード7の地震の約何回分のエネルギーをいちどに放出することになるか。
答え
約30回分

1行目(標準)
P
初期微動
主要動
S
初期微動継続時間
ひずみ
断層
活断層
海洋
大陸
大陸
大陸
津波
答え
(1) ア;震源  イ:震央
(2) b
(3) 波
答え
(1) ア:初期微動  イ:主要動
(2) ア:P波     イ:S波
(3) ア
(4) 初期微動継続時間
(5) 長くなる
答え
(1) 震度
(2) マグニチュード
(3) 広くなる
(4) ①:7  ②:10