地理教科書 120ページ 南アメリカ州

教科書
南アメリカ州をながめて
南アメリカの自然環境や歴史、産業などには、どのような特色が見られるでしょうか。
南アメリカ州の自然環境
南アメリカ州は南北に長く、西部には標高6000mをこえるアンデス山脈が連なります。
その東にはギアナ高地とブラジル高原のあいだをアマゾン川が流れています。
アマゾン川の流域は赤道周辺に広がり、高温で雨が多く、熱帯雨林が生いしげります。
南に行くにしたがって気温が下がり、雨も少なくなり、草原となります。
南部のラプラタ川の河口周辺にはパンパとよばれる平原などが広がります。
アンデス山脈では、標高によって気候や見られる植物が大きく変化します。
赤道に近いアンデス山脈の北部や中央部では、低地に比べて過ごしやすい気候になります。
そのため、アンデス山脈の標高の高い場所にボゴタやラパスなどの大都市があり、多くの人々が暮らしています。
南アメリカ州の生活・文化
南アメリカには、インカ帝国のような先住民による高度な文明が発展しました。
しかし、16世紀にスペインやポルトガル人といったヨーロッパ人が南アメリカに進出し、先住民の国や社会をほろぼして植民地として支配しました。
その後、南アメリカではスペイン語やポルトガル語が使われるようになり、キリスト教が広まりました。
ヨーロッパ人は、プランテーションの労働力として、アフリカの人々を奴隷にして南アメリカに連れてきました。
南アメリカには、先住民やヨーロッパ人、アフリカの人々との間に生まれた子どもの子孫が多く暮らしていて、それぞれの文化が混じり合った独特な文化が生まれました。
20世紀の初めごろには多くの日本人も移住し、日本の文化を持ちこみました。
開発と環境保全
南アメリカでは農業が盛んで、伝統的な農具など先住民の技術を使ってじゃがいもやとうもろこしなどが栽培されてきました。
20世紀後半からは、大規模で企業的な農業も発展し、コーヒー、大豆、バナナなどの輸出用の商品作物や、砂糖やバイオエタノールを生産するためのさとうきびが栽培されています。
南アメリカは鉄鉱石や銅鉱石、石油、レアメタルなどの鉱産資源も豊富で、各国が鉱産資源の開発や、それを利用した工業化を進めています。
特にブラジルは工業国でもあり、自動車や航空機の製造が盛んです。
このように、南アメリカでは広大な土地や豊富な資源を生かして農業や工業が発展する一方、森林の減少などの環境問題も起こっています。
自然環境を生かした暮らしと産業
南アメリカの人々は、自然をうまく利用しながら生活しています。
例えばアマゾン川の流域での主な交通路は川で、人や物の移動には船が使われます。
漁業も盛んで、大都市の魚市場ではさまざまな魚が売られ、人々は日常的に魚を食べています。
アマゾン川の水位は季節によって大きく変わります。
川岸は、毎年の洪水が運んでくる栄養分をふくむ土砂によって土地が肥えていて、人々は水位の低い時期に牧草地として利用したり、いもやとうもろこしを栽培したりしています。
こうした、自然のめぐみを利用する生活には、人々の伝統的な知恵が生かされています。
森林を守る農業
アマゾン川流域の熱帯雨林では、人々は森林をうまく利用しながら生活しています。
木を切りたおし、乾季に雑草と一緒に燃やして、畑が造られます。
雨季になると、畑でバナナ、キャッサバ、とうもろこしなど、食料となる作物が栽培されます。
何年かくり返すと、土地がやせる前に別の場所に移動して、新しい畑が造られます。
こうした焼畑農業を続けることで、人々は森林を守ってきました。
最近では、伝統的な焼畑農業のやり方をもとにし、木を育てながら木陰で作物を栽培する、アグロフォレストリーともよばれる農業を行なっている場所もあります。
自然環境の保護と観光
南アメリカでは豊かな自然環境を生かした観光が盛んです。
南アメリカの中央部には日本の本州とほぼ同じ面積の大きな湿原があり、バードウォッチングなどのために多くの観光客が訪れています。
また、南アメリカ大陸の西に位置するガラパゴス諸島には、独自の進化をとげた固有の生物が見られ、有名な観光地になっています。
こうした地域では観光業が発展しました。
しかし、観光客が増えたことで、自然環境の破壊や外来生物の侵入などの問題も起こりました。
そのため、自然を観察する際のルールを決めるなど、自然環境の保全にも配慮した観光であるエコツーリズムが行われています。
南アメリカ州の自然環境
Q1. 南アメリカ州の西部に南北に連なり、標高6000mをこえる山脈を何といいますか。
答え
アンデス山脈
【解説】 南アメリカの西側に長くのびる大きな山脈です。山が高いと気温が下がるため、後で出てくる「標高による気候の変化」や「高地に大都市がある理由」とつながります。

Q2. ギアナ高地とブラジル高原のあいだを流れる大河を何といいますか。
答え
アマゾン川
【解説】 南アメリカの中心部を流れる大河で、川の周りの地域(流域)に熱帯雨林が広がり、人々の交通路としても重要になります。

Q3. アマゾン川の流域が広がる、赤道周辺の気候の特徴を答えなさい。
答え
高温で雨が多い
【解説】 赤道に近いほど日差しが強く、気温が高くなりやすいです。さらに雨も多いので、植物がよく育って「熱帯雨林」が生いしげる条件がそろいます。

Q4. 高温で雨が多い地域に生いしげる森林を何といいますか。
答え
熱帯雨林
【解説】 「熱帯(暑い)」+「雨が多い」という条件で、木が一年中よく育ち、密な森林になります。アマゾン川流域の代表的な自然です。

Q5. 南に行くにしたがって気温が下がり、雨も少なくなると、どのような地形(植生)の地域になりますか。
答え
草原
【解説】 雨が少なくなると、森林を保つほど木が育ちにくくなり、草が中心の土地(草原)になります。気候の変化が植生を変える例です。

Q6. 南部を流れ、その河口周辺に平原が広がる川を何といいますか。
答え
ラプラタ川
【解説】 南アメリカ南部の大きな川で、川の河口周辺には広い平原が広がります。川と地形(平原)がセットで覚えポイントです。

Q7. ラプラタ川の河口周辺に広がる「パンパ」とよばれるものは何ですか。
答え
平原
【解説】 パンパは広い平原の名前です。平らな土地は農業や牧畜に利用しやすいので、土地の形が産業に結びつく典型例です。

Q8. アンデス山脈では、標高によって気候や植物が大きく変化します。このような変化を何といいますか。
答え
標高による気候の変化
【解説】 同じ緯度(場所)でも、山の上は気温が低くなります。だから「高さのちがい」で気候が変わり、見られる植物も変わります。

Q9. 赤道に近いアンデス山脈の北部や中央部で、低地に比べて過ごしやすい気候になるのはなぜですか。
答え
標高が高くなると気温が下がるから
【解説】 赤道近くの低地は暑くなりやすいですが、高地は気温が下がって涼しくなります。そのため人が住みやすく、大都市ができやすい条件になります。

Q10. アンデス山脈の標高の高い場所にある大都市として、本文に出てくる都市を答えなさい。
答え
ボゴタ、ラパス
【解説】 「赤道に近いのに高地で涼しい」ため、人が集まりやすく都市が発達しました。都市名はそのまま暗記が必要です。

南アメリカ州の生活・文化
Q11. インカ帝国のような高度な文明を発展させた、ヨーロッパ人が来る前から住んでいた人々を何といいますか。
答え
先住民
【解説】 先住民は「もともとその土地に住んでいた人々」です。南アメリカでは先住民の文明が発達していましたが、のちにヨーロッパ人の進出で社会が大きく変わりました。

Q12. 南アメリカで、先住民による高度な文明として本文に出てくるものを何といいますか。
答え
インカ帝国
【解説】 インカ帝国は南アメリカを代表する文明としてよく出題されます。「先住民の文明=インカ帝国」と結び付けて覚えましょう。

Q13. 16世紀に南アメリカへ進出したヨーロッパ人として本文に出てくる国を答えなさい。
答え
スペイン、ポルトガル
【解説】 スペインとポルトガルが進出し、先住民の社会をほろぼして植民地として支配しました。この支配が言語や宗教に大きく影響します。

Q14. ヨーロッパ諸国に支配されていた地域を何といいますか。
答え
植民地
【解説】 植民地になると、支配した国の言語・宗教・制度が広がります。南アメリカでスペイン語やポルトガル語、キリスト教が広がった理由とつながります。

Q15. 南アメリカで広く使われるようになった言語を答えなさい。
答え
スペイン語、ポルトガル語
【解説】 植民地支配の結果、支配した国の言語が広がりました。南アメリカでは国によって主な言語が異なるので、地図問題にもつながります。

Q16. 南アメリカで広まった宗教を何といいますか。
答え
キリスト教
【解説】 ヨーロッパ人が持ち込んだ宗教が広まり、多くの地域でキリスト教が信仰されるようになりました。「植民地化→宗教の広がり」がポイントです。

Q17. ヨーロッパ人が輸出用作物を大量に生産するために利用した大農園を何といいますか。
答え
プランテーション
【解説】 プランテーションは「売るため(輸出)」の作物を大量に作るしくみです。大量生産のために労働力が必要になり、次の「奴隷」とつながります。

Q18. プランテーションの労働力として、アフリカの人々が強制的に働かされた制度(人々)を何といいますか。
答え
奴隷
【解説】 奴隷は自分の意思ではなく、強制的に働かされました。南アメリカの社会には、先住民・ヨーロッパ人・アフリカの人々が関わり、文化の特徴にも影響します。

Q19. 先住民・ヨーロッパ人・アフリカの人々の文化が混じり合って生まれた文化を何といいますか。
答え
文化の混合
【解説】 さまざまな人々が関わった結果、言語・食文化・音楽などに特徴のある独特な文化が生まれました。南アメリカの文化を説明する重要語句です。

Q20. 20世紀の初めごろに南アメリカへ多く移住し、日本の文化を持ちこんだ人々を何といいますか。
答え
日本人移民
【解説】 移民によって文化が持ち込まれることがあります。南アメリカの文化の多様さを理解する手がかりになります。

開発と環境保全(農業・工業・資源)
Q21. 20世紀後半から発展した、大規模で機械や資本を使った農業を何といいますか。
答え
企業的な農業
【解説】 企業的な農業は広い土地を使って効率よく大量生産します。輸出用の作物を作ることが多く、次の「商品作物」と結び付きます。

Q22. 売ること(輸出など)を目的に栽培される作物を何といいますか。
答え
商品作物
【解説】 自分たちが食べるためではなく、利益を得るために作る作物です。南アメリカではコーヒー・大豆・バナナなどが例として出てきます。

Q23. 商品作物として本文に出てくる作物の一つで、飲み物として世界でよく消費されるものを答えなさい。
答え
コーヒー
【解説】 コーヒーは輸出用の代表例です。「商品作物=輸出用」とセットで理解しましょう。

Q24. 商品作物として本文に出てくる作物の一つで、食品や飼料などにも利用されるものを答えなさい。
答え
大豆
【解説】 大豆は食料だけでなく家畜の飼料などにも使われます。大量生産されると輸出の中心にもなります。

Q25. 商品作物として本文に出てくる作物の一つで、熱帯で栽培されやすい果物を答えなさい。
答え
バナナ
【解説】 バナナは熱帯やその周辺で栽培されやすく、輸出用作物の代表例としてよく出題されます。

Q26. 砂糖やバイオエタノールの原料となる作物を何といいますか。
答え
さとうきび
【解説】 さとうきびは「食料(砂糖)」と「燃料(バイオエタノール)」の両方につながる重要語句です。

Q27. さとうきびなどから作られる燃料を何といいますか。
答え
バイオエタノール
【解説】 植物などから作る燃料です。石油のような化石燃料だけに頼らない工夫として覚えます。

Q28. 鉄鉱石や銅鉱石、石油、レアメタルなどのように、地下から産出される資源を何といいますか。
答え
鉱産資源
【解説】 鉱産資源が豊富だと、資源を輸出したり、それを使って工業を発展させたりしやすくなります。

Q29. 工業が発展していくことを何といいますか。
答え
工業化
【解説】 資源を開発して利用すると、工業が発達しやすくなります。南アメリカでは資源の開発と工業化がセットで説明されています。

Q30. 工業国でもあり、自動車や航空機の製造が盛んな国として本文に出てくる国を答えなさい。
答え
ブラジル
【解説】 ブラジルは南アメリカの中でも工業の発展が進んだ国です。資源の豊富さと工業化が結び付いています。

Q31. 農業や工業が発展する一方で起こっている、森林の減少などの問題を何といいますか。
答え
環境問題
【解説】 開発が進むと自然が失われることがあります。「発展」と「保全(守ること)」を両立するのが大きな課題です。

自然環境を生かした暮らしと産業
Q32. アマゾン川の流域で、人や物の移動に使われる主な交通手段を答えなさい。
答え

【解説】 道路が少ない地域では、川が「道」の役割をします。だから交通路は川になり、船が移動手段として重要になります。

Q33. 川岸の土地が、洪水が運ぶ栄養分をふくむ土砂によって肥えることがある。このような土地を何といいますか。
答え
肥えた土地
【解説】 洪水は被害だけでなく、土砂を運んで土地を豊かにする働きもあります。肥えた土地は農業に向きます。

Q34. 川の水位が低い時期に、川岸を家畜のための土地として利用する。この土地を何といいますか。
答え
牧草地
【解説】 牧草地は家畜のえさとなる草を育てる土地です。川の水位が下がった時期に利用する工夫がポイントです。

Q35. 毎年の洪水が運んでくる土砂で川岸の土地が肥える。この洪水とは何ですか。
答え
洪水
【解説】 洪水は雨季などに川の水位が上がってあふれることです。生活に被害も出ますが、土地を肥やす面もあり、自然を利用する知恵につながります。

森林を守る農業
Q36. 木を切りたおし、乾季に雑草と一緒に燃やして畑を作り、土地がやせる前に別の場所へ移動する農業を何といいますか。
答え
焼畑農業
【解説】 焼畑農業は、同じ場所を長く使い続けず、土地がやせる前に移動します。土地を休ませることで、森林が回復しやすくなり、結果として森林を守ることにつながってきました。

Q37. 伝統的な焼畑農業をもとにし、木を育てながら木陰で作物を栽培する農業を何といいますか。
答え
アグロフォレストリー
【解説】 「農業(作物)」と「森林(木)」を両立させる方法です。森林を全部なくさずに利用する点が重要です。

自然環境の保護と観光
Q38. 南アメリカ中央部にあり、日本の本州とほぼ同じ面積の大きな湿地を何といいますか。
答え
湿原(しつげん)
【解説】 湿原は水が多い土地で、生き物が多くすむ大切な自然環境です。面積の大きさも本文のポイントです。

Q39. 鳥を観察するために観光客が訪れる観光を何といいますか。
答え
バードウォッチング
【解説】 自然の生き物を楽しむ観光で、自然の豊かさを生かした観光の例です。

Q40. 南アメリカ大陸の西に位置し、独自の進化をとげた生物が見られる島々を何といいますか。
答え
ガラパゴス諸島
【解説】 海に囲まれた島は他の地域と隔てられ、独自の生物が生まれやすいです。ガラパゴス諸島はその代表例です。

Q41. その地域だけに生息する生物を何といいますか。
答え
固有の生物
【解説】 固有の生物は、その場所にしかいないため、環境が変わると絶滅しやすく、保護が重要になります。

Q42. 観光客が増えることで問題になることがある、もともといなかった生物を何といいますか。
答え
外来生物
【解説】 外来生物が入ると、固有の生物がえさを取られたり、住む場所をうばわれたりして、生態系がくずれることがあります。

Q43. 自然環境の保全にも配慮した観光を何といいますか。
答え
エコツーリズム
【解説】 自然を守るためにルールを決めたり、環境に負担をかけない形で観光を行ったりする考え方です。「観光」と「保全」を両立するのが目的です。